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という、夢を見たんだ

      2014/12/27

Atardecer de ensueno mini

今を生きる「僕」へ
消えてしまった「僕」より

ねぇ、知ってる?

実はこの世界は、
「夢の中の世界」なんだ。

これまでの人生は、
実は「ただの夢」だったんだ。

眠っている僕が、夢から覚めてしまったら、この世界は終わってしまうんだ。

ーこの世界は、夢の中の世界

夢から覚めたら、すべてが「無かったこと」になってしまう、そんな世界。

僕はまだ、この世界で、やり残したことがあるというのに。

「出来ればまだ、夢から覚めないでほしいな」

……そんなことを願っても、いったいいつ夢から覚めるかなんて、僕にはわからない。だから、そんなことを考えるのは、もうやめよう。

ああ、そうだ!
どうせ夢なんだから、好きなことをしよう!

何をやったって、どうせ行き着く先は同じなんだ。

===============

ある本を読んだ。
どうやら、この夢の世界では、15分に1人が、自ら夢の世界を旅立っているらしい。

そう、この世界では、
いつでも好きなときに、
夢から覚めることができるんだ。

でも、それじゃああんまりだ。

いろんなことができなくなってしまった人たちと違って、僕はいろんなことができる。だから、その人たちを思うと、簡単に目覚めようとするのは、あんまりだ。

精一杯に生きたい。
「自分がやるべきこと」のために。

精一杯にやって、くたくたに疲れた一日の最後、僕はとても幸せな気分になるのだ。布団の中で、とても心地よく眠れるのだ。

精一杯にがんばるためには、精一杯にがんばることを目的にしてはいけない。人は、それを目的にしても、精一杯にがんばれないからだ。

ところで僕は、いったい何のために、精一杯がんばるのだろうか?

===============

ーこの世界は、夢の中の世界

夢から覚めたら、すべてが「無かったこと」になってしまう、そんな世界。

「現実世界の僕」が、意識を取り戻したら、「夢の世界の僕」という存在そのものが、消えてしまう。哀しいけれど、それは止めようのないことだ。だからせめて、夢から覚めてしまうその時までは、この世界を精一杯に楽しもう。

夢の中で眠るっていうのもおかしな話だけれど、おわりの時に、気持ちよく布団に入れるように。

 - 詩・対話体小説集

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