アウトプットは大切か – 5分のアンケートに3時間かけて回答した結果
2014/12/26
photo by:Danbo Enjoys Writing Letters / bunnyrel
先日、僕がよく利用していたサービスの運営企業さんから、簡単なアンケートを依頼していただきました。
そのアンケートは、5分ほどで終わる簡単な内容だったものの、ひょんなことから、気がつけば3時間ほどが経過していました…(笑)
僕はべつに、そのアンケートから何らかの見返りが欲しい訳ではありませんでした。単純に、アウトプットがしたかったのです。
今回は、そんなケーススタディを交えながら、アウトプットの大切さについて、お話していきたいと思います。
キッカケは、1つのアンケート
キッカケはその企業からの「アンケート」でした。
その企業は、マーケットプレイスのサイトを運営しており、僕は高校生の時に、そのサイトで売買をしていた経験がありました。
※マーケットプレイスとは、ネット上で個人や企業が物を売ったり、買ったりできる場所のことです。
そして、「そのサイトで多くの取引経験があるユーザー限定のアンケート」が、僕のもとに届いたのです。
アンケート内容はごく簡単なのもので、5分もあれば終わるようなものでした。
まるで八百屋のおじさんがキュウリを袋詰めするみたいに軽快に回答をしていき、アンケートも後半にさしかかった頃、気になる項目を見つけました。
「売る時に工夫していることは?」
という項目です。
僕は、そのマーケットプレイスでの不要品販売を、とっくに辞めていました。工夫も何も、そもそも売っていない人間だったのです。
それに、不要品売買をしていた頃って、ビジネス意識がほとんどありませんでした。
それでも、「いかに相手に喜んでもらえるか。同じものを売っても、自分だけの付加価値を付けられるか」といったことは意識していました。
これらはビジネスにおいて非常に重要ですが、当時の僕は、意識こそ向けていたものの、それを満たそうとする手段が貧弱でした。
なので、そういった意識は残しつつ、「もし今の自分が売るなら、どんな工夫をするか?(どんな手段を用いるか)」というような形で、回答をしようと思いました。
その旨を冒頭に添えて回答を始めたのですが、書いているうちにどんどん楽しくなってきた僕は、「これはもう、とことん書きたいな」と、AtoZ (何から何までも、全て)なビジネスプランを書き上げました。
「5分で終わるアンケート」
が、
気がつけば、
「3時間で終わるアンケート」
になっていました(笑)
「5分が3時間……おまえは目覚まし時計に語りかける朝の俺か」というツッコミを入れつつ、その回答を送信しました。
それで終わりだと思ったのですが、数日後、まさかの返事が届きました。
そのアウトプットで、僕は何を得たのか
返信の内容は、
- 「実践しないのがもったいない」
- 「興味深い内容ですらすら読めた」
- 「詳しい事も話してもらえると嬉しい」
といった、とても嬉しいものでした。
そして、その後も「詳しい部分、細かい部分」について、運営担当の方と、3日ほどメールのやり取りをさせていただきました。
僕は、たくさんの時間を失いました。
実際は樋口さん程の見返り(お礼)をいただいたのですが、僕はそもそも見返りを期待せず、ただ自己満足のためにアンケートに回答していました。
では、なぜ僕はやったのか。
それは、単純に楽しいからでした(笑)
と言うと、なんだか締まりないので、ほかに得られたメリットについても、お話したいと思います。
楽しいという幸福感を得た以外に、どんなメリットがあったのか。
僕は、アウトプットした知識に対する理解が、より深まったと思っています。
また、理解が深まったがゆえに、より強い記憶として定着したとも思っています。
え、それだけ?
とあなたは思ったかもしれません。
ですが、「その知識に対する理解度が上がれば上がるほど、その知識の応用力が上がる」と、僕は思っています。そして、理解するためには、もちろん記憶しておくことが必要です。
1を持っていて1しか出来なかったのに、それに対する理解が深まったがゆえに、1で10くらいのことができるようになる感覚です。
十倍になっていますが、理解度が上がり、より抽象度が上がっているので、十倍どころではないのかもしれません。
あるビジネスのノウハウがあったとします。最初はそれを実践するだけで精一杯ですが、ある程度結果も出て、慣れてくると、「どうしてこういうノウハウになったのか?」という部分に目が行くようになります。
それを考えると、このノウハウがいったいどういう原理から演繹(えんえき)されたのか気づく瞬間があります。「演繹する」とは、たとえば「お腹がすいたら何かを食べればいい」という原理があったとき、一つの手段として「コンビニでお弁当を買う」という選択肢を選ぶのが「演繹する」ということです。
このように、そのノウハウの原理が分かれば、様々な分野に応用できるようになります。
「コンビニでお弁当を買えば空腹は満たされる」としか分からなかったのに、「なるほど、お腹がすいたらご飯を食べればいいのか」と気づければ、選択肢が一気に広がるのと同じです。
僕は、小中学生の時、
あるゲームにハマりました。
そして、全国レベルまで極めました。
勉強や学校はそっちのけだったので、色々な犠牲はありました。ですが、この時の経験は、それからの人生にとても役立ったと感じています。なぜなら、ゲームをクリアするための方法と、ある課題をクリアするための方法は、とても似ているように見えるからです。そして、やればできることを、身に染みる形で知ることができるからです。
これは、ゲームを極める以前の自分には、欠けていた視点でした。
経験のある人は腑に落ちると思いますが、何かで突き抜けた経験は、人をものすごく成長させます。見える世界が、ガラリと変わるのです。
……と、書いたあとで、とても共感できる記事を見つけたので、シェアしたいと思います。
「ゲームで世界大会に出場しながら、東大合格はすごい」とよく言われます。でも僕は「ゲームをしていたから東大に合格できた」のだと思っています。対戦相手の過去の試合を分析し、勝つための最短ルートを見つける。志望校を絞り込み、過去問を繰り返し解く。受験とゲームにはいくつもの共通点があったんです。
大学ではバイオマテリアルを研究して、国際学会で賞をもらいました。これも受験のときと同じで、ゲームで学んだことのおかげ。
(中略)
ゲームというとバカにする大人もいますが、何でも真剣に取り組んで世界一になれるほどに極めれば、どんな分野でも成果をあげられる「型」ができるんです。
アウトプットは大切か
「お金を持っていても、それを使わなければ何かには変えられない」
これは、知識にも言えることです。
「知識を活かさないのであれば、知識を持っていない状態と変わらない」
だからこそ、アウトプットをするべきなのです。
積極的にアウトプットしたい場合は、まずインプットから変えていく必要があります。
アウトプットするべき情報だけを、インプットするべきなのです。
すべてはトレードオフなので(Aを選択すれば、Bが犠牲になる)、無闇にインプットして、無闇にアウトプットするべきではありません。ネタが枯渇したら仕入れる必要はあるのですが、アウトプットを増やすコツは、インプットを減らすことです。
ただ、
すべてのインプットを合理的に!という状態を目指す必要はありません。人はそこまで理性的になれないからです。
僕は、僕自身のことを、理性と本能で言えば、中間に位置するくらいだと思っています。
理性的に、ガチガチに生きていないけれど、ただ本能に任せて生きているわけでもありません。
そしてそれは、きっと僕以外の多くの人も、そうなのだと思います。
「たまには完璧な状態から外れてしまうのは、仕方のないことだ」くらいに思っていたほうが、長く続けられます。
これはアウトプットの記事なので、インプットの技法については、また別記事でお話したいと思います。
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アウトプットの種類
アウトプットは大きく分けると、以下の2つに分けられます。
- 実践すること
- 教えること
この2つです。
たとえば、「○○するといいよ」というインプットをして、
- 実際に試してみる。実践。
- その知識を誰かに教えてみる
というようにです。
記憶への定着度と、理解度の向上
実践することと、教えること。
どちらも、「ストーリーが描ける」という点で、より記憶に定着しやすいと考えています。
ドラゴン桜という漫画で、
「関連づけ」と「強調」が、
記憶に大切な要因であると言われていました。
その主張を分かりやすくするために、ドラゴン桜に登場するエセアインシュタイン阿院先生は、生徒にとあるゲームをさせます。
いまいち腑に落ちない場合は、ぜひこのゲームを試してみてください。
新潟、コーヒー、カメラ、手帳、電話、
タクシー、温泉、コンビニ、歯ブラシ、橋、
紅葉、猿、山小屋、お刺身、月引用:ドラゴン桜7巻 83P
上記の単語を2分間見て、順番に記憶してください。全部で15個です。
2分後に、下へスクロールしてみてください。クイズがあります。
Q.1から順番にすべて言えますか?
何の関連づけもせず、バラバラに覚えていたのであれば、この問題に正解するのは難しかったと思います。
しかし、阿院先生は、以下のように述べます。
新潟に旅行して
駅でコーヒーを飲み
カメラで記念写真を
撮ってから手帳を調べて地元の友人に電話
タクシーに乗って温泉へ……という風に
ストーリー仕立てにしたら……引用:ドラゴン桜7巻 85P
「ストーリー仕立てにして覚えたらどうか?」ということです。
では次は、これを意識した上で、
以下の単語を2分間見て、順番に記憶してみてください。
- 着物、赤ペン、犬小屋
- パソコン、ちくわ、扇風機
- 太陽、リュック、ボール
- 文庫本、ぬいぐるみ、フライパン
- Tカード、妖怪、ダンベル
2分後、下へスクロールしてみてください。
Q.1〜15の単語を、すべて順番に答えてください。
全部は答えられなかったかもしれません。
ですが、先ほどよりも、正答率が上がったと思います。
このように、「関連づけ(つながり)」ができると、より記憶しやすくなります。
僕は「ONE PIECE(ワンピース)」という漫画が好きです。この漫画は2014年10月の時点で75巻が発売され、連載も17年に及ぶ大作ですが、僕はこの漫画のストーリーを最初から最新まで細かく思い出すことができます。なぜなら、ONE PIECEは「ひとつなぎ」だからです。ストーリーとして繋がっています。
漫画、アニメ、映画、ドラマ、小説etc……これらの内容を比較的簡単に思い出せるのは、繋がっているからです。
そして、「実際に体験する」とか、「教える」ということは、この関連づけが容易に行えるのです。ゆえに、ただインプットしたよりも、記憶に定着します。
実際に「体験」をすれば、
- 体験するまでのプロセス
- 体験した時の感想
- 体験後の自分
…などの関連付けできます。
更に、実際に体験することで、ようやく腑に落ちる(なぜ、それが必要か分かる)部分も多々あります。理解度が上がるということです。
次に「教える」ということですが、「教える」ためには、相手が分かる形で伝えなければなりません。
そうなると、必然的に「その物事の構造(なぜ、そうなっているのか)」を理解する必要があります。それを知らない人には、論理的に説明しないと、理解してもらえません。論理的に説明するためには、しっかりとした理解が必要です。
「理解」は、「なぜ?」の連続により成り立っていて、構造化されています。
構造化とは、いわゆるストーリー化です。
先ほどストーリーにして単語を覚えたように、構造化にも流れがあります。
だからこそ、記憶に残ります。
アウトプットすなわち関連付けです。
ゆえに、理解度や定着度が高まるのです。
最後に
アウトプットを前提にすると、
インプットの質が変わります。
その情報を、どうにか実生活に落とし込もうとするからです。
今は、SNSやブログで、簡単に「教える」という形のアウトプットが可能です。
ぜひ、あなたがインプットしたことを、あなた自信の言葉で語ってみてください(写すだけでは、ただの復習です。自分の言葉で語り、つながりを増やすことを意識してみます)。
そのアウトプットは、自分を笑顔にするだけではなく、誰かも笑顔にできるかもしれません。
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