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人生における成功とは何か? 成功法則の嘘と本当について

      2014/12/26

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人生における成功とは何か

人生における成功とは何でしょうか?

お金持ちになることでしょうか。社会的な評価の高い仕事に就いている人でしょうか。芸能人になって人気になることでしょうか。スポーツなどの分野で、結果を残している人でしょうか。

「成功」の定義を最大公約数的に考えるのであれば、上記のようなものを成功と呼ぶのでしょう。

しかし、それは本当に正しいのでしょうか。

たとえば愛する人がいたとして、お金よりも、社会的な評価よりも、何よりも優先してその人を愛するのは、成功とは呼ばないのでしょうか。

君は君で 僕は僕
そんな当たり前のこと
何でこんなにも簡単に
僕ら見失ってしまえるんだろう?

引用: Mr.Children / 掌

僕はピーマンが苦くて嫌いなのですが、あなたはピーマンが好きかもしれません。

何が善で、何が悪か。
人間の価値観は千差万別です。 蓼食う虫も好き好きです。

あなたも重々承知のことだと思います。

であるならば、成功というものは、誰かに聞いたり、世間的に成功と呼ぶものを自分にとっての成功だと考えるのは、とてもおかしなことですよね。

だからこそ、成功の定義は、自分で決めることになります。

もちろん、そういう「世間的に言われている成功」を、自分にとっての成功であると定義することは、いけないことではありません。

能動的に決めたのであれば、それでいいのです。受動的に、ただ流されるがままに決めたのであれば、それはあなたを不幸にするかもしれません。

このお話に関連した記事を書いたことがあります。もしよろしければ、併せてお読みください。

関連記事: たった3ステップで自分の人生を終わらせる方法

ところで、「自分にとっての成功」を定義するためには、どうすればいいでしょうか。

僕は、「何を諦めるのか、決めること」が必要だと思っています。

これは大事ではない。あるいは少し大事だが、優先順位的に下なので、もっと大事なことを優先する。

そうして、色んなことを諦めます。
何もかもはできない」ということは、論じるまでもなく明らかです。たとえば時間など、人間の持つリソース(資源)は有限だからです。

何かをすれば、何かを失います。
「失ってもいいものは何か」ということを考えると、何が自分にとって必要なのか、おのずと分かります。

それは、誰かを大切にすることのように、理想の自分であり続けることかもしれません。
あるいは、死ぬ前にこんなことを成し遂げたいとか、やっておきたいとか、何者かになることかもしれません。

「そのどちらも」かもしません。

「自分のリソースはこれくらいで、自分にとっては何が大切で、その大切な何かのためには何を諦めるべきか」…ということがハッキリしていないと、色んなものを気にしてしまいます。

どうでもいいことにリソースを使うことは、すなわち大事なことを失うことでもあります。

それが分かっていれば、「大事ではないものを、自分が持っていない現実」に対して、平然としていられます。その状態であるべきだと思えるからです。変な嫉妬・執着が無くなります。

ONE PIECEという漫画の第1話で、こんなエピソードがあります。

ある山賊が、酒を求めて酒場にやってきました。
しかし、その酒場では「シャンクス」という人物が率いる海賊が宴をしていたので、もう酒は残っていなかったのです。

かろうじて、シャンクスは、まだ栓をあけていない酒を一本持っていました。

シャンクスは言います。
「これでよかったらやるよ まだ栓もあけてない」

しかし、山賊は「ビン一本じゃ寝酒にもなりゃしねェぜ」と、シャンクスの差し出した酒を拳で割ってしまいます。お酒の中身は、シャンクスにぶちまけられました。

シャンクスはこの事態にも平然としていて、「悪かったなァ マキノさん」と酒場の店主に詫びつつ、掃除を始めます。

「掃除が好きらしいな」と、山賊は周りの食器やらビンやらを、持っていた剣で割って、店をあとにします。

その山賊は、シャンクスよりもはるかに格下の相手でした。反撃をしたら、それはもう一瞬で決着が付くほどです。

一部始終を見ていた主人公のルフィは、あんな事されて笑っているなんて男じゃないぞ!!! と、尊敬していた海賊の対応に失望してしまいましたが、それに対してシャンクスは言いました。

「ただ酒をかけられただけだ 怒るほどのことじゃないだろう?」

つまり、それくらいのことは、別にシャンクスにとってどうでも良かったのです。自分の大事なものは、何一つとして傷つけられていないのだから。

その後、シャンクスはその山賊を倒すことになります。ルフィが傷つけられたからです。

シャンクスは言いました。

ONE PIECE1巻 シャンクス

シャンクス 友達を傷つける奴は許さない
引用: 尾田栄一郎「ONE PIECE 1巻」集英社、1997、37頁

One piece (巻1) (ジャンプ・コミックス)

尾田 栄一郎 集英社 1997-12
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さて、成功とは何かが分かりました。

もちろん、シンデレラでもない限り、
待っているだけでは王子様はやってきません。

どうやったら成功するのか? という思考に関連して、ここからは成功法則についてお話したいと思います。

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成功法則本は嘘か本当か

よく「こうすれば成功します!」みたいな、成功法則本が売られています。インターネットやテレビで語られたりもしますよね。

こうした成功法則って、本当なのでしょうか?

僕は、正しい場合もあれば、
間違った場合もあると思っています。

結局、成功法則本というのは、
「私のようになるには、こういうことをしましょう。」
「こんな人になりたかったら、こういうことをしましょう。」

ということが書いてあるのです。

先ほど、「成功の定義は人それぞれである」と、お話しました。

そうであるならば、ある成功の法則が、自分にとっての成功法則とは限りません。お金持ちになりたくないのに、お金持ちになるための成功法則を知り実践しても、(あなたにとっての)成功には近づきませんよね。

ある成功法則本が定義する成功と、あなたの定義する成功が合致した場合は、その成功法則本が役に立つ可能性は高いです。しかし、それでも過信はできません。

なぜ、成功法則本は100%ではないのでしょうか。100%どころか、ほとんどの人が読んでも成功できないのでしょうか。

成功法則本を読んでも成功できない人がいる理由を、これから3つのトピックに分けてお話したいと思います。

行動が足りない

一番多いパターンだと思います。

多くの人が、その類いの本に書いてある「理想」を実現できないのは、結局は十分に行動していないからであると、僕は思います。

成功法則本みたいな本をたくさん読んだわけではないので、あまり大きなことは言えないのですが(抽象化すれば書いてあることはほとんど同じなので、途中から読む気が無くなりました)、書いてあることは結構まともでした。行動すれば、結果が出るだろうなぁという内容でした。

やり続ければ結果が出るだろうなぁ、という思いとともに、やり続けられる人はほんの一握りだろうなぁ、というイメージを抱きました。

関連記事: 習慣の作り方とホメオスタシスについて

自分の定義する方向性とは違う成功法則本を実践している。

少し前に書いた内容と同じです。
たとえば、お金持ちになりたくないのに、お金持ちになるための成功法則を知り実践しても、(あなたにとっての)成功には近づきませんよね。

もちろん、それを承知で「自分にとっての成功にも生かせる部分を探す」というのであれば、話は別です。

ノウハウは同じでも、文脈(コンテクスト)は違う。

これもまた、成功法則本で結果が出ない要因です。

文脈とは、簡単に言えば
「物事の背景」です。

たとえば、好きな人から告白されたら嬉しいですが、通りすがりの人に告白されても動揺してしまいますよね。「告白」という内容は同じなのに、リアクションが変わるのは、文脈が違うからです。

成功の理由とは非常に複雑で、よく分からないものです。何が複雑にしているかというと、その人の文脈です。

成功法則本の筆者と同じ文脈で、同じことをすれば、成功するのでしょう。

しかし、そんなことは不可能なのです。
まず、時代を巻き戻すことができないのですから。他にも、その人と同じフィジカル、メンタル、その他あらゆる環境は、再現が不可能です。

先ほどの「告白」の例と同じように、
ノウハウが同じでも、文脈が違えば、違う結果が出ます。

お腹がすいている時に食べるご飯はおいしいですが、お腹がいっぱいで苦しい時に食べるご飯はまずいです。同じご飯なのに、文脈によって違うリアクションが帰ってきます。

多くの成功法則本には、筆者自らの経験を基に、
「こうすれば成功すると私は思うよ」ということが書かれています

筆者の文脈による経験と考察の結果」=「本の内容」なのです。

ということは、それが自分自身にも当てはまるとは限りません。文脈が違うからです。

筆者の言うとおりに行動しても結果が出ないのは、筆者と文脈が違うからかもしれません。特定の文脈だったからこそ、筆者はその方法で結果が出せたのかもしれません。

===

僕は、「成功法則とは、自分の人生経験から学ぶべきものである」と思っています。

なぜなら、過去の自分と今の自分の文脈には、差が少ないからです。つまり、比較的精度が高いのです。

次のトピックで、詳しく見ていきましょう。

自分の人生から成功法則を見つける方法

自分の人生から成功法則を見つけるためには、以下の方法が役立ちます。

「今までの成功体験を抽象化したり、具体化すること」です。

抽象化というは、
「りんごは美味かった、メロンは美味かった、みかんは美味かった」
→ つまり、果物は美味い。

というような考え方です。

そして具体化ですが、
たとえば、「果物が入った箱」があったとしましょう。

そして、その箱の中身を「りんご、メロン、みかん………」と、リストアップしていく考え方が、具体化です。

「フルーツが食べたい!」(抽象的)
「具体的にはどんなフルーツが食べたいの?」
「ドラゴンフルーツ、ブッシュカン、ミルクアップルが食べたい!」(具体的)

みたいな感じですね。

いろいろな果物

まず、今までの成功体験を思い出してみます。


成長できた、他人を喜ばせた、誰かを助けた、合格した、大会で良い成績を残した…etc

なんでも良いです。
上手くいったこと、全てです。

そして、個々の成功事例で共通する「こうしたから、上手くいったのではないか?」という部分、つまりは「成功法則」を抽出します。

より理解を深めるために、一つの「事例」を見ていきましょう。

事例〜とある思考プロセス

僕は、僕自身のこれまでの成功体験の要因を、

成功は、自分がレベルアップし続けた末に、自然と得られる」(抽象化)

というように、自分の経験から導き出しました。

つまり、何かで成功したかったら、「レベルアップし続ければ良い」ということになります。

・何かで成功したかったら、レベルアップし続ければ良い。

→じゃあ、どうやってレベルアップすれば良いのだろう?

→「自分がレベルアップできた事例」をリストアップ。

→リストアップした事例の「レベルアップ要因(なぜ、上達できたのか?)」を具体化する。

→要因は、勉強+実践+試行錯誤(考える)だった。

→では、上記のような行動(勉強+実践+試行錯誤)をするためにはどうしたら良いか?

→自分が上記のように行動できた事例を具体化

→好きなゲーム、好きな勉強

→事例の抽象化(ゲーム、勉強=それらは自分が好きなこと)

→好きなことなら自然と努力できるから、自然とレベルアップして、自然と成功できる(好きこそものの上手なれ)。

といったような、思考プロセスがありました。

これはつまり、目標との取引ではなくて、目標達成にかかわらず、行為自体が目的になっていたということです。

もちろん、これはあくまで「僕の成功法則」であり、あなたに当てはまるかは定かではありません。だからこそ、自分の経験を思い出し、それを元に抽象化・具体化を繰り返し、「自分の成功法則」を導き出します。

考えることは面倒かもしれませんが、思考放棄が招く結果がもっと面倒なのは、言うまでもありません。

上記でご紹介したのは、「努力すればある程度は成功できる。そして努力をするためには、好きなことをすればいい」という方法でした。

今の僕は、努力を続けるための方法は、あと2つあると思っています。それについては、「努力できない悩みを持つ人が続けられるようになるための3つの方法」という記事でお話しています。

もちろん、上記の成功法則が通用するかは、成功の定義にもよります。

僕はあるモバイルゲームサイト(まだガラケーの時代ですね)で、総合ランキング1位をとる! という目標を立てて達成しましたが、あれはプレイヤーがあまり多くないゲームだったからこそ、何とかなったのだと思っています。

たとえば競技者が多いのであれば、努力だけではどうにもならないことが多々あります。人は生まれながらにして、平等に不平等だからです。生まれながらにしてある分野の優劣が決まってしまうのは、残酷かもしれませんが真実です。

上記の成功法則は、「トップ10%以内の実力者になる!」(トップ10%以内に入ったことによる恩恵を受ける!)といった目標には適していますが、ライバルが多い分野で1位を取るための成功法則として、ただ努力を続ける方法は通用しません。

トップを取るならトップを取るなりの「問い」が必要です。

成功法則本は使えないのか? 自分の経験は本当なのか?

他人の言う成功法則は、前述の通り完璧な再現性があるわけではありません。しかし、100%使えないわけではないのです。

筆者の言う「A」は自分に当てはまらなくても、「B」は当てはまるかもしれません。あるいは、「A」を自分なり改造して「C」にすれば、自分にとって役立つものになるかもしれません。

頭ごなしに「どうせ使えない!」と否定するのは、読んでもいない漫画を酷評するのと同じです。

まずは、使ってみる。
その上で、自分にも当てはまるなら使えばいいし、当てはまらないなら捨てたり、あるいは自分なりに応用すればいいのです。

そうやって色んな人の考えを取り入れたり、応用したり、捨てたりを繰り返したほうが、成長のスピードは速いものです。

===

自分の経験から抽出した成功法則は、精度が高い」と、さきほどお話しました。

しかしながら、もちろんこれも100%ではありません。なぜなら、文脈は常に変わり続けているからです。

「経験は欺く」

基本的には、自分の経験というのは信頼できるものです。しかし、100%ではない。

上記の一言を頭の片隅にでも入れておくだけでも、思いがけない結果になった時に(比較的)動じなくなります。

おわりに

この記事の中で、こんなことを書きました。

結局、成功法則本というのは、
「私のようになるには、こういうことをしましょう。」
「こんな人になりたかったら、こういうことをしましょう。」

ということが書いてあります。

成功の理由とは非常に複雑で、よく分からないものです。何が複雑にしているかというと、その人の文脈です。

成功法則本の筆者と同じ文脈で、同じことをすれば、成功するのでしょう。

しかし、そんなことは不可能なのです。

この記事では、なるべく抽象的で、普遍的なことを書いたつもりなので、あなたにも通用すると思います。

ですが、

「この記事も、ある種の成功法則であり、あくまで筆者の経験をもとに書かれている」

ということを、お忘れなく。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

関連記事: 目標・夢を紙に書くと叶ったので、効果を恐れて紙に書くのをやめた話

P.S.

僕はどうして生きているんだろう。

そう考えたときに、いつも思い浮かぶ歌詞があります。

君が好き
僕が生きるうえで
これ以上の意味はなくたっていい

引用: Mr.Children – 君が好き

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